身についている

なんども私は自分の経歴にコンプレックスを持っていることを伝えてきました。

 

「金持ちだから、こういうことができるんだろうな」

「頭いい大学行っていた割にはできていない」

「ずっと海外育ちの割には英語が話せていない」

 

だから、私はそういう情報を一切自分から出さずに

本当の自分で勝負をしてみたくて、

調理を始めてみたということも伝えました。

 

それはどこかで、

ここまでこれたのは実力ではなくて、

恵まれた環境にいたからホイホイと進んでいき、

結果的に何もしなくてもうまく歩んでこれたと感じたからです。

 

そして人と比べて、

私はなんて薄っぺらい人なんだろうって思っていました。

他人を頼りにばかりにして、

自分自身はなんの知識もスキルもなくて、

そんな自分が恥ずかしかったんです。

 

ただ最近、

そういう風に自分の経歴を自分からひけらかすことをやめてみて、

職場もいくつか渡り歩いて、

私が今まで得たもの全てが周りによるものではなかったな、と気づきました。

 

自分でもなんというか、

自分で言うのも恥ずかしいのですが、

対人力というか、人に好かれやすい性格を実はしていたのかな、と。

 

好かれやすい、というか、

悪い言い方をすれば八方美人なのかもしれないけど、

人としてできているっていえばいいのかな。

 

誰かの悪口を裏でたくさんいったり、

その場の状況を見て、他人が大変な状況にあっていても

見て見ぬ振りをしたり、自分に有利になるよう物事を動かしたり。

 

そういったことをする気質をあまり持ち合わせていないんだと、

感じました。

 

そしてそういう性質だったからこそ、

スキルや能力がそれほどなくとも、

周りのサポートを受けて、

なんとかなっていた部分が大きいんじゃないかなって。

 

少しポジティブに考えられました。

 

セレブリティシェフの方にお会いしたときに言われました

「講義終わった後に、話したいことがあったら直接話にきてね、なんて言ったけど、実際に来る人なんて少ない」

だから君は自分で行動を起こして、目標に向かっていっている。すごいんだよ、といったことを言われました。

 

聞いたときはキョトンとしたけど、

少しわかり始めました。

 

皆はきっと、名声や地位を見て、話し方を変えたりする中、

私にはそういったものがあまりなくて、

その人を見るんです。

 

どれだけ偉いポジションについていても、

実際にその人が偉い人なのかというのはまた別だと思う。

 

でもそう言う風に考えられる人も少ないし、

意外と皆ここのいい点を探し出して、許したり、ということができないんだと。

 

だから、私は自分に能力やスキルがないことを嘆いていたけど、

私のいい点は、皆と少し違くて、

最初から私自身に染み付いていたんだなあって。

 

そう思えたら、

自分のことが少しだけだけど、好きになれた気がした。