考えすぎ

高校の時の友人と久しぶりに会った時に、

恋愛話をしました。

 

「あの時に付き合ってた〇〇が今まで唯一付き合ってきた人なんだよね...」

 

「他の男子と出かけてはいけないって束縛されるのってどう思う?」

 

「私はお互いがバレていなければ、わざわざ報告しなくてもいいって思った。

けど出かけるのが嫌だ、っていう人がいるのを知った」

 

私「......?」

 

そうなんだ?ってあまり理解していなかったのですが、

後々自分に起きたことと重ねて気づきました。

 

彼女の中では、「異性と出かける場合は毎回報告する。そもそも認めない人」という人が実在することを知らなくてショックだったんだと思うんです。

彼女は彼がそういう人だと知らずに付き合って、後々トラウマになったわけですから、

次に付き合う人が、また彼みたいな人だったらって恋愛に対して怖くなっているのだと思います。

 

と言うことに気づいたわけです。

 

そして、私も考えすぎてしまう癖があって、

例えば、インターンシップでお昼休憩が本来1時間なのに、

上司から2時間行ってこい、と言われることがあるのです。

 

それに対して、私は「私のこといらないんかな」

「一緒にいると疲れるから離れてほしいんかな」っていう気持ちが感謝より先に来るのです。

 

自分でもおかしいというか、

そんないちいち私のこと煙たがらないだろうし、

本当にそうだったとしても、いちいちこの人はそういうことを言う人なんかなって見極めなくてもいい。

 

それなのになぜ毎回こんなにざわつくんだろうって思っていたのです。

 

それで彼女の恋愛話を思い出して、なるほど、と。

 

多分私も会社でショックに感じた経験がたくさんあって、

それが今でも私の人間関係の引き金になっているんだと思います。

 

例えば、

風邪をひいて休んだだけなのに、社内で「ずる休みしたんだ」という話が広まったのを見て、

あることないこと言っちゃうんだっていうこともそうだし、

風邪ひいていて大丈夫かな、という気持ちよりも先に「なんだよあいつ」と疑った上で、愚痴っている人たちを見て驚いた。

そういうふうに人を気遣える人が少なくともその社内ではいないんだ、と。

いたとしても、「そんなふうに彼/彼女のことを言わないでよ!」と守る人もいないんだと。

そしてこれが私の今のところ唯一の社会人経験。

 

もし次の会社の人たちも、と言うより

私の周りにいる人たちも、

そう言うふうに相手を気遣うよりも先に疑う人たちだったら?

相手に感謝する、という気持ちを持てない人たちだったら?

表でニコニコするけど、裏では悪口を言う人たちだったら?

 

大学3年生の時に留学した時、

周りが自分が思っていたよりもドライな関係を持っていた。

 

それって今までの20何年間、そういった人たちに出会ってこなかったのは

私の環境が恵まれていたから?

ドライなのは一般的なの?

じゃあこれから私が社会で出会う人たちは皆前職の人たちみたいに

人を疑う人たちなの?

それが普通なの?

 

なんて思っていたわけです。

 

友人の気持ちがわかった。

たった一回起きた出来事だとわかっていても、

この世にそう言う人たちがいると言うことがありえないのです。

 

世の中不正を一回でも起こしたら信じられなくなるのと一緒で、

私もその友人も自分の「この人は大丈夫」という感覚を信じられなくなっているんだと思います。

 

でも、なんでこんなことが起こるんだろうって考えたんです。

 

それで思ったのは、

私も友人も「白」以外ありえなかったからなんだと思うんです。

 

「異性の友人に会うことはOK。彼氏も気にしない。」

「人を思う気持ちが先に来る」

という概念が私たちの中で当たり前だったわけです。

 

それがいきなり「黒」もあるよって知った。

さらにはグレーもいると知った。

 

つまりは、私たちの考えは少数派だったということに気づいたのです。

 

白より先はないわけで、だから一気に怖く感じるんだと思うんです。

私ので例を挙げるとしたら

「余裕があったら周りのことを思える」

「大事な人だけを思える」

「ビジネスでは稼ぎたいから人を思う」

など

「人を思う」にも本心、建前、ツールなど、いろんな種類がある。

その思う濃さもそれぞれ違うもんなんです。

 

私は「人を思いながら」それを行うものだと思っていました。

「余裕があるときだけ、思えるから、それ以外は自分で自分の面倒を見てね」

「大事な人だけは死守したいから、ここは譲ってくれ」

「ごめんね、どうしても大きな会社にしたいから、ここはもらうよ」

 

と言う感じで、皆なにかしら遠慮というか、

ありがとうって言う気持ちを持っていると思っていたのです。

 

それが根っから「人を思わない人」がいることを知って、

「余裕があるときだけ思える人」も「大事な人だけ思う人」も

他人を思いたくもないっていう人がいるのだと知りました。

 

思いたいけど余裕がない、ではなくて

なぜ思わなくてはいけないんだ、と考える人がいると言うことです。

 

もちろん人それぞれで、

私のように根から誰かを思いたいって考える人もいるし、

私の思っているグレーゾーンにあたる人だっているはずです。

 

でも事実、

私の思っていたようなグレーゾーンにいない人の方が多いことを

黒を知ることで知ったのです。

いろんな人の意見を聞いて、自分が少数派だと知ったとき、

自分の考えているように人は考えない、と極端に思い始めるのです。

 

すると周りが敵に見えるというか、

違う物体のように感じるのです。

 

そんな気持ちなのです。