運命

私は努力って大事だと思っています。

それも正しい努力。

その積み重ねが欲しいものを手に入れる方法だと思っています。

 

中には大した努力をせずに手に入れられる人もいます。

それは正直仕方のないことだと思うんです。

 

皆違うように生まれてきたのだから、

ある場面で有利、不利っていうのはあると思う。

 

だから欲しいものが手に入らなかったとき、

私は今自分が立っている場所と必要条件を比べるんです。

足りなかったらそれまで。

仕方ない。

運命を受け入れる。

 

でもそうではない人たちもたくさんいることを知りました。

 

この話をしているわけは、

正社員新卒として研修をしたときのことが

未だにモヤモヤするからです。

 

このブログを読んでいる方は知っているかもしれませんが、

私は大手日系旅行代理店の海外支店に入社しました。

 

永住権を持っていることと、学歴がいいことで、

スカイプを1時間ほどして入社が決まりました。

 

ここだけ切り取ると、

「人生イージーモードじゃん!」って思うかもしれない。

私も思う。

でもそのかわり、私は皆が1年かけて日本で就活を共に頑張っているなか、

私は一人で数ヶ月前になってから就活を海外で始めなければいけなかった。

 

誰かに面接のコツをきけるわけでもないし、

OBの話を聞けるわけでもない。

 

周りからも散々「そんな簡単に就職できるわけない」と言われ続けていた。

 

そんなプレッシャーの中就活を一人でやっていく私の気持ちをわかってほしい。

 

そしてなにより入社したら私はいきなり上のポジションから始める。

早く出世したい人にはいいかもしれないけど、

私はそんなに興味ないし、

むしろ日本人だから、という理由だけで

他の人より早く出世することに嫌気がさしていた。

 

とまあ、そういう背景があるわけです。

ちなみに日本と違って、

お仕事内容は求人を探すときから決まっています。

 

それで、まあ、日本に研修しに行って、

日本と海外で役割が違うこともあり、

講義の8割は全く使えないというか

私の仕事に関係なかったです。

やるお仕事が決まっている私からしたら、

延々と関係ないと分かっている話を聞くのは辛かった。

 

それで、最後の日に皆どこで働くのか決まるんですね。

人気があるには海外とのやりとりがある部署で

「インバウンド」というところ。

 

インバウンドは、外から内へ人を連れてくるお仕事なんですね。

私はインバウンドという部署に配属されますが、

日本からシンガポールなんです。

 

それに対して日本のインバウンドは

海外から日本です。

 

名前は一緒でも日本にいる人たちとやることは逆なんです。

だから私は皆好きなところに配属になるといいな〜と

客観的に応援していたんですね。

自分が先輩になったつもりもないし、

あぐらかいているわけでもなく、

ただ私の場合はお仕事が決まっているから、

皆ドキドキして聞くんだろうな〜って感じで待っていたんです。

 

その後、皆にどうだったの、と聞くと、

中には泣き出す子もいたんです。

インバウンドに行きたかった....とのこと。

 

まあ、でも研修中にも話していたけど、

TOEICのスコアが明らかに高いよねっていうラインの人たちがいたんです。

あそこらへんが選ばれるだろうっていう。

 

もちろん「え、あなたが選ばれたの?」みたいな人も中にはいたけど、

大体は海外にゆかりのある人とか、抵抗がない人たちが選ばれたし、

後は仕事できそうな人たち。

 

だから私はその子のことが好きだし、純粋に応援したかったから、

まあ、こうなるのも仕方ないよねって思いながら、

泣いている彼女になんて声かければいいのかわからず

「大丈夫だよ、次で働く部署楽しいかも知れないし!」って言ったら

「ユキはインバウンドで働けるからいいんだよ」と

ムスッとした顔で、他の子のところに行きました。

 

驚いた。

これを読んでいる人はどう思うかわからないけど、

からしたら、ただ純粋に慰めたかったというか、

欲しいものが手に入らない気持ちもわかるし、

正直自分の行きたい部署に行けなかったのは、

行ける、と判断できるだけの材料を自分が持っていなかったから。

だから「なんで私がはいれないの」という気持ちにしがみつくのではなく、

仕方がなかった、と

自分がもらった範囲でできることをしていけばいい。

行きたい部署に行けない可能性があることを知っていて入ったのだから、

皆それぐらいの心構えはあるのかと思っていた。

 

ちょっと上から目線かもしれないけど、

本当に思う。

きっと私が皆と同じように日本で一年就活していても、

同じ答えを出していたと思う。

 

だからそういう言い方をされてびっくりしたというか

怒りが来ましたね。

私だって就職するの簡単ではなかったし、

皆の知らないプレッシャーやストレスを日々受けているのに、

なんで一方的にそんなこと言われなければいけないんだ。

 

そしてもう一人同じように泣いていた子がいたんです。

その子もインバウンドに行きたかったのに、

切符売り場で働くことになったらしい。

 

からしたら、何がそんなに嫌なのかわからなかった。

きっとそこの企業に入る人たちと私との間で求めているものが違うのかもしれない。

ただただなんで泣いているのかわからなかった。

切符売り場、っていうと、バリバリ働いているイメージはないし、

70人ぐらいいる新卒の中で唯一切符売り場で働くことになった。

 

だから気持ちはわからなくはない。

おそらく、自分の働くイメージとあまりにも違うというか、

地味な仕事についてしまったって感じなのかなって。

 

でもそんな嗚咽あげて泣くほどか?

その時も「きっと楽しいよ」って感じで励ましたんですけど、

なんか怒りやら悲しみやらが混じった感じでした。

今思うと、さっき言った彼女と同じことを私に対して思っていたのかもしれない。

 

これも私は思うんです。

私だったら、まず、そういう仕事をやらされる可能性があるということは頭に入れてあると思う。

後、旅行代理店に入ったのだから、

私は興味があって、皆入ると思った。

興味があるなら、旅行に関することなら切符うりだろうと楽しめると思った。

しかも新卒の中で一人だけ。

何か特別な意味があるというか、

他の人と違う何かがあるって思ってくれたのかもしれない。

頑張ろうって私ならなる。

 

でもそういう考え方が皆できないんだ、と初めて知った。

 

厳しいことを言うかもしれないし、

私自身できていないこととかあるかもしれないけど、

 

「自分が見えてなさすぎる」と皆に対して思った。

そして、

「周りを妬みすぎる」とも思った。

 

なんであなたはいいよねって相手のこと何も知らないのに

結果だけ見て言えるんだろう。

自分の努力不足をなんで認められないんだろう。

と言うか能力不足なのかな、この場合。

学歴不足なのかな、わからないけど、

わざとだろうとそうでなかろうと、

有利不利はどこでもあることだし、

現実を受け止めろって思ってしまうんですよね。

 

厳しいんですかね。

でもとりあえず怒りをぶつけられて私はその日落ち込みました。

 

自分はただ純粋に皆が前向きになれたらいいな、と思っていたのに、

こんな風にブーメランで返ってくると思わなかった。

 

ちょっとした懐かしいお話でした。