犬が亡くなりました

死に関するお話なので苦手な方は、米印の部分を飛ばしてください。

 

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今日、愛犬の安楽死を行いました。

 

直前まで本当にこれはスズ(愛犬の名前)にとっていい決断なのか迷いました。

客観的に見て、行った方が犬にとって痛みが少ないのはわかっていましたが、

人間と違って私たちは犬がまだ生きたいのかどうか、理解することができない。

今から安楽死を行うんだということを理解できているのかも知らない。

 

そんな中で決断することは怖かったし、不安でした。

最後も不安で泣きながら怖がりながら注射を打つことになるのではないか、と思いました。

 

車の中で揺られているときも、

いつもは行きは泣かないのにないて、

診察室に入ったときも泣きました。

 

わかっているのかな。

まだ行きたくないのかな、って思うとすごく辛かったです。

 

でも、安楽死の準備をするために、中の診察室に連れて行かれて、

出てきたとき、スズは落ち着いていました。

びっくりするぐらい。

スズも理解していたのかな。

 

もしくは準備をするときに、

なにか大人しくなるようなものを刺されたのかもしれない。

わからないけど。

 

ただ亡くなるときに

スーッといつ亡くなったのかわからないぐらい

穏やかでした。

 

水を入れられているときもされるがままだった。

分かっていたのかもしれない。

薬を入れられたとき、

効いているのか、一瞬ビクンとした。

 

すると、みるみる身体の力が抜けているのがわかりました。

もともと体重も軽いし、弱っていたので、

寝るときもダランとしていたんですけど、

やっぱり違うんですよね。

 

いつもみたいに、鼻から出る息が腕にかからないし、

持っている手に心臓の弱い心拍を感じないんですよね。

ああ、本当に亡くなっているんだなってわかりました。

 

死後は筋肉がしばらくピクピクしたり、

おしっこ、ウンチがでたりするけど、

それは亡くなってから出る症状だから、

辛いわけではないし、安心して欲しいと言われました。

 

自分でも驚くぐらいそのときは冷静でした。

多分心拍を感じていないから、亡くなっていることを完全に理解していたからだと思うんです。

 

でも、スズを診察台におろしてみたとき、

鼻も動かないし、お腹も動かないのを見て、

一気に辛くなりました。

亡くなってしまった実感が一気にきて.....

よく頑張ったねって頭撫でたかったのに、

怖くて、撫でる手前で何度も手が引っ込みました。

 

感情が一気にきて、コントロールができませんでした。

頭を撫でた後、

肉球を触りました。

 

手から冷たくなっていくのは本当で、

いつもよりひんやりしていて、

肉球の間の身体の色が青紫でした。

 

歯がなくなってからしまえなくなった舌も、

青紫でした。

 

とりあえずひたすら触りました。

まだ身体が暖かいうちにたくさん触ってあげたかった。

まだその辺に魂があるような気がして、

安心させたかった。

 

スズが動かなくなっても、

まだ周りに魂がある気がして、

思わず突っ立ってスズに話したりもした。

 

腰あたりも冷たくなってきてから、

獣医さんを呼んでお開きにしました。

 

終わった後も泣くのをやめられなかったのですが、

平井堅さんの「ノンフィクション」という歌を思い出しました。

平井堅さんが自殺してしまった友人に向けて作った曲だと聞きました。

 

「みずぼらしくていいから」

「ただ会いたいだけ」

 

本当にその通りだと思いました。

平井堅さんと違って、私は自分の意思で愛犬に安楽死を施しました。

でもできることなら、ずっとそばに置いておきたかった。

ずっと一緒にいたかった。

 

よく漫画とかで、好きな人の頭だけになってしまったものを抱えたり、

あいみょんの歌でも、

大好きな人の「目ん玉くり抜いてそれをポッケに入れる」

という表現などがありますが、

 

今ならその気持ちがわかります。

 

私もスズの毛や歯だけではなくて、

腐ってもいいからスズの体を自分のそばに置きたいと思いました。

それがダメなら、スズの皮が欲しい、と思いました。

 

ちょっと怖いですよね。笑

でもそれぐらいスズが好きで、ずっとそばにいて欲しいと思いました。

 

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犬の安楽死を行うことは辛かったです。

 

でも、これは私にとって新しいステージでもあります。

 

私は多くの悩みを抱えていました。

彼氏との関係、仕事が見つからないこと、仕事がうまくできないこと、

親との関係、スズの介護.....

 

でも不思議なことにその大抵はコロナが始まってから、

この数ヶ月でほとんど解決されました。

 

特にスズの介護がなくなったことは大きく、

今まで費やしてきた時間、お金、精神、体力を他のことに使うことができます。

 

今日も家に帰ってきて、

「〜しなければ」という気持ちもなく、過ごしていることが少し不思議です。

 

12時に何の心配もなく、

一回も起きずに寝れるのは

おそらく半年ぶりです。

 

仕事を始めたら毎月2万円は愛犬に使おうと思っていましたが、

そのお金も、気持ちを消化するために、

美味しいご飯と財布のために使いましたが、

せめて12月までは愛犬のために、と用意するつもりだったので、

まだまだ残っています。

 

お金の心配もいらないし、

睡眠も取れるようになれば、

精神的にも回復します。

 

新しい仕事も、自分と同じ目標を持った人たちと働くことになります。

私がリラックスして、明るくいれるなら、

きっと楽しく働くことができると思います。

 

彼氏ともスッパリ別れたので、

心配することがありません。

 

一つ一つ荷が降りていくごとに、

少しずつ将来に対して希望が見えてきました。

 

スズが最後にくれたギフトだと思って、

肩の力を抜いて、

ゆっくりと私らしくいれるようになりたいです。