限界でした

まだ調理学校は4ヶ月ほどありますが、

調理関係のお仕事は選ばない、ということを自分の中で決めました。

 

私は人と比べて、色々とできないから、

好きなことだったら自分のいいところが発揮されるんじゃないかな、

皆がするようなビジネス関連のお仕事ではなくて、

クリエイティブなお仕事をすればいいんじゃないかなって思って、

 

私はまず調理を学ぶことを決めました。

 

でも半年と少し、この学校とアルバイトとインターンをして、

調理をしてもこの悩みは付いて回るし、

根本的には調理もビジネス関連も一緒なんだなって感じる部分もありました。

 

よく「なにかから逃げたくて調理をしたいって言っているように聞こえる」と言われていました。

自分ではそんなつもりではなかったのですが、

食関連の営業が私にはできるかもしれないって思った瞬間すごい安心したんです。

 

「あ、私今までの生活に戻れる」って思ったんです。

自分でも気づかないぐらい無理をしていたんだと思います。

 

人より何かができないから、

何かを減らさなければいけない。

お給料だとか、わがままだとか、自由とか。

 

それが結構きつかったんだと思います。

 

好きなことするんだから、我慢しなければ。

キッチンの人の言葉遣いが乱暴で聞いてられないけど、

これからこういうシチュエーションに当たるかもしれないのだから、

正面からぶつからなければ。

逃げてられない、立ち向かわなければって

いつのまにか思うようになって、

自分の限界に気づいていなかったんだなって。

 

インターンシップで、あるシェフと働いて、

やる気がないだの、あれができていないだの言われたとき、

私は心の中では

「なんだこの人。シェフだろうと人なんだから、ちゃんとした言葉を使うべきでしょ。ここはキッチンだからって甘えてそういう言葉を人に向けるのはどうなのかしら。しかもこれ、絶対私がアシスタントだからこういう扱い受けているけど、もし私が今教えているキャビンアテンダンド側だったらなんていうんだろう。」

と怒りがこみ上げていました。

 

キッチンだからって、アシスタントだからって、

人のことをどついていいわけがありません。

「本当にあなた仕事できないね」ってまだ会って数日なのに、

かなり失礼です。

大声を出すのもアウトです。

 

でもそれは私の常識であって、

キッチンではきっと違う。

後、自分でも「私はシェフなのよ。あなたを私のキッチンに来るかどうかを決める権限は私にあるのよ」っていうぐらいだから、

シェフになったら権力があるとでも思っているんだと思う。

 

実際、シェフは高飛車だって聞くし、

私のいうことを聞けって感じの人が多いっていうのも聞く。

 

私の中では、それって教育の違いからくるものなんだと思いっています。

私は今までの人生そういう話し方をするなって教わってきたし、

周りの人にもそういう話し方をする人はいない。

 

もし私がこれからも調理関係につきたいのだとしたら、

きっと私よりも学歴の低い人たちと話す機会が多くなる。

中にはこのシェフみたいに、

仕事ができない人に対してきつく、そして八つ当たりも含んでいるでしょって

言いたくなるような暴言を言ったりするわけで、

慣れる必要があると思った。

 

でも全然なれなかった。

3日目には自分でもわかるぐらいげっそりした。

 

前職で働いているときのことを思い出した。

すっごく辛かった。

 

ちょっとしたことでもすぐ罵倒してくる気がして、

すごいビクビクした。

 

「私もあなたみたいに仕事ができなかったからわかる。直せるから。」

「人と話すのが怖いの?(微妙な返事をした)まずは人に笑顔で明るく話すことから始めな」

とか言われました。

 

が、そもそもシェフのように頑張って直そうと思っていない。

一つの個性だと私は捉えていたし、ゆっくり自分のできる範囲から問題を見つめて行こうと思っていた。

人と話すのが怖いからといって、笑顔で明るく話すことが役に立たないことを私は知っている。

 

心から明るくなくてはいけない。そしてその当時の私にはそれができない。

 

だからシェフの言っていることは、的を得ているけど、

私は頑張る、とも、直したい、とも言っていないのに、

勝手にトレーニングが始まって

「うざい」

と思った。

 

そして、何より胡散臭い。

前職の先輩と一緒で、

なんか....

このシェフは、自分に酔っているというか.....。

 

「自分はすごく頑張って、人に好かれるようになって、仕事もできて、企業でそこそこ偉いシェフとして頑張っている」って感じだけど、

中身はスカスカそうというか....。

 

そんな知らない人について何言ってんだが、とは思いますが。

なんだろう...本当の友達いる?これからもっときつい場所に行った時にまた頑張って苦しくなるの?

みたいな。

なんか努力を履き違えているというか。

昔の私を見ているみたいでした。

 

彼女からしたら、

昔の彼女を見ているみたいなんだろうな、とは思いましたが。

 

私もただそのシェフをディスりたいだけなのかな。

 

ただただそのシェフとはウマが合わなくて、

なんども頑張ったし、

多分相手も頑張ったと思うんだけど、

その人のことを理解ができなくて......

 

挙げ句の果てには、

なぜか私にはやる気がなくて、

シェフの悪口を言っていて、

反抗的だ、という変なイメージをつけられたし。

 

いやいや、悪口というかそもそも

「あなたのことが嫌い」という態度とっていたのはそちらでしょう。

 

少なくとも私はそういう態度を働いている時には出さなかったよ。

 

反抗的もなにも私は言われた通り仕事に励もうとしていたし、

シェフが嫌いだから、と言って学べることをないがしろにするのはもったいないから、

仕事だけに集中しようと頑張っていた。

 

私には頑張る気がないって言っていたけど、

そもそも何をするにももう一人の学生を呼んでいたいのは

シェフの方であって、

私はいつ呼ばれてもいいようにずっと彼女の後ろにいました....。

 

私が人より周りに気付きにくいっていうこともわかっていて、

だから洗い物だけは、率先的にしよう、とやっていました。

結局最後は私が洗い物係みたいな感じで、

シェフは色々と私にだけお願いしていたから、

正直不快でした。

 

でも私なりに人より気づけないなら、

今気づけるところだけでもしっかりやろう。

 

今きつく言われて、なかなか笑えないのであれば、

せめて仕事だけでも完璧にこなそう。

 

そういう風にやっていたのですが、

何も伝わっていないというか、

私のことを見てくれていなかったんだな、と実感しました。

 

なんかそういう気持ちを今までだったら、

「この人無理。さよなら」ってできたのですが、

前職からの影響なのかもしれない。

職場で線引きをするのが苦手になったのかもしれない。

 

でもそれだけではなくて、

やっぱり自分のやりたいって思っていることで、

それなりの覚悟を見せるためには、

こういった理不尽というか、

何こいつって思う人ともうまくやる方法を見つけなければいけないし、

嫌いだったとしても、それを見せてはいけない、だとか

 

色々と「覚悟があるならこれはできて当たり前だ」という項目を自分で作りすぎていたのかもしれない。

 

苦手なものは苦手だ。

 

そして、覚悟があっても難しいときは難しい。

 

調理ではない仕事に就くと決めてから

気づいたことでした。