シェフの話を聞いて
今日は芸能人シェフと一緒に話す機会がありました。
テレビに出たりすることもある人みたいで、
中には最後写真を一緒に撮っていた人もいました。
まあ、2時間ぐらいこのかた話していたんだけど、
なんか気持ちが明るくなるというか、
生き生きしているというか、
いいなって思いました。
その中でしきりに思ったのは、
私のインターン先で言われていたことをそのまま言っているということ。
「感情がコントロールできないのはいけない。イライラするからといって戸をばーんと叩いたら、全体の空気が悪くなる」
「いい先生、講師になるには、まず仕事ができること。これは絶対」
「いいシェフになるには、ポジティブでいること、生き生きすることが大事」
とか。
「シェフはできる人や好きな人には、チャンスを与える」
「一緒に働いている人とうまくいかなくても、仕事さえしっかりできていれば何も言われない。」
というのも聞いて、
インターン先でのシェフがそうだったなあって思いましたね。
彼女はもう一人のインターン生を好きだから、
取ったけど、
私は好きではないからとらなかった。
それだけではなくて、仕事ができないし、
多分態度に彼女のことが嫌いだというのが露骨に出ていたらしい。
だから別に彼女が特別そういう部分に敏感で、切れたわけではなくて、
あ、もうなんか業界全体がそんな感じだし、
怒ったりするのも普通なんだな、と。
これがキッチンであって、
私はまるで自分が正しいのに、
こんなこと言うなんて、
よっぽどこの人性格ヤバイって思っていた自分が少し恥ずかしくなった。
でもそれと同時にこれが、
キッチンでは普通なんだって思ったときに、
あ、無理だって思いました。
仕事遅いのだって、もう何度も何とかしたいって思って努力してきたし、
感情の起伏が激しいのに何とかしたいって思って、やってきた。
でももう遅く歩いてしまうのとかも含めて、
私は向いていないんだな。
「できないって思わない。全てYESだ」とシェフは言っていた。
きっと私みたいに、仕事ができないことで悩んだことがないんだろうなって思った。
だから言える言葉なんだなって。
それがまたなんか悲しくて。
きっとこの人は私みたいに「努力では何とかならない」ことがあることを知らないんだなって。
そして比べられたこともそんなにないんだろうなって。
なんか自分の人生が悲しくなった。
後、お話を聞いた後に、個人的に話しにいったんですね。
「私、インターンシップで企業で働いたり、レストランで働いたりしたことがあって、その時に自分は人より遅く、飲み込みも悪くて、あ、これ生まれつきなんじゃないかって思いました」
この時点で顔が曇る。
何でこんなことを私に相談するんだ、
何でこんなネガティブなことを私に言うんだ、やればできるって考えがこの子にはないのかって思われたかもしれない。
でも続けたかった
「ずっと今まで生きてきてそうだったんです。だからこれからどうすればいいのかわからなくて.....」
シェフ「そうか....。今度〇〇さん(学校の担当者)に僕の名前を出して、話し合いをしよう。30分ぐらい。何かお仕事渡せそうだったら渡す」と。
いや、お仕事が欲しかったんじゃない。
そして、私はもうキッチンのお仕事ができるような気がしなかった。
キッチンで働きたいっていう気持ちはすごく大きい。
でもそれ以上に長時間で働くことや、お給料のこと、精神的な辛さなどを考えたら、
とても続けたいって思えなかった。
お金もないし、
何より早く親から自立して
あまり会わなくてもいい、
自分の自由に生活したい。
だからすごいどうすればいいのかわからなかった。
でもどういうのがやりたいのって聞かれて
「シンガポールと日本のフュージョン...が学校入った当初はやりたい!って思っていました....」
って言った後に
シェフ「きっと君なら大丈夫。仕事できるよ。....これの前はどこの学校行っていたの?」
私「日本の大学に行っていました」
シェフ「(ほら)頭いいし、大丈夫だね」
私「それに関しては.......同意できないです」
って言ったらめっちゃ爆笑してた。
おお。笑
他にもキッチンは罵声がすごいよねって共感してくれて、
もうなんか泣きそうだった。
そうなんです。すごいんです。
でも誰も私に同意する人はいないんです。
職場の暴言があまりにもすごくて、きついんです。
そんなこと言ったら甘えだとか、メンタル弱いだとか言われるかもしれないけど、
本当に辛いんです。
なんかシェフの「私は大丈夫」って言うのも、何を思って言ったのかわからないし、
建前なのかもしれない。
でも私のことをしっかり見て、きっと大丈夫って言われて、
なんか本当に大丈夫かもしれないって気持ちになれた。
不思議ね。
この先できるお仕事ないんじゃないか、とかすごい気にしていたけど、
一流のシェフが私と話して、それで大丈夫って言ってくれているなら
なんか大丈夫かも。