和とシンガポールの調和

前にフュージョン料理がやりたいと話したかと思います。

 

日本料理とシンガポール、またはマレーシア料理をフュージョンしたいもの。

 

ただ日本から仕入れた食材をマレーシア料理風にするとか、

そういうのではなくて、

完全にどっちの料理なのか判断できないようなものを作って、

自分のアイデンティティを表現したいと思った。

 

今回の調理コースでは、実はマレーシア料理と日本料理を学んでいます。

味噌汁とか基本的なものが多かったのですが、

日本人でも知らないんじゃないかってぐらい基礎中の基礎を教えてもらいました。

日本人がシンガポール人シェフに教わるってすごい変な感じ。

 

そう、でも、教えてもらって、

 

マレーシア料理と日本料理を混ぜ合わせることはかなり難しいということがわかりました。

 

マレーシア料理はスロークックが基本なのです。

入れるもの、切るものを全て鍋に入れてグツグツ煮込んだり、

若干茹でた野菜などに、炒めたソースをかけたりなど、

入れるものは多いし、ステップも多いので大変だけど、

理解すれば初心者でも作れるものが多かった。

 

それに比べて日本料理はシンプル。

みりんや醤油を茹でて、揚げ物にかけるだけ、とか

蕎麦を茹でるだけ、とか。

でもその代わり火加減とタイミングが大事なんです。

いつ火を止めるか、どれぐらいの温度で揚げるのか、など。

 

マレーシア料理と比べて、繊細で、

0か100みたいなところがある、と感じました。

 

当たり前だけど、マレーシア料理が辛くて脂っこいのに対して、

日本料理は穏やかであっさりしている。

 

つまりはマレーシア料理と日本料理は対にある料理だと思うんです。

それを混ぜるということが想像できない。

仮にできたとしても、食文化が全然違うので、

現地の人たちに好かれる料理が作れるのか、

不安になりました。

 

後、二つの料理が混ざっていたらどう?と周りに聞くと

「進んで食べたいと思わない」という答えが多いです。

 

だから あ、やめよって思ったのと同時に、

どうすれば自己表現ができる場を作っていけるのか悩みました。