私が人を遠ざけたくなった理由

今まで散々人を信じられないっていう風にいっては、

香港のことや中国で騙されてたことを話したと思います。

 

最近ある漫画を読んで、あまりに登場人物の気持ちが分かるものだから、その時のことをブワッて泣きました。

 

中国で騙されたこと、

騙されたぐらいで、人を信じられなくなるなんて

って自分でも思ってたし、

周りもそんな感じだったから気づかなかっただけで、

私の中で人を信じられなくなった理由として大きく影響しているんだなと感じました。

 

直接就職とは関係ないけど話したい。

 

あの時、私自暴自棄で、

自分は人付き合いうまくなったと思ってたのに、なぜかうまくいかないし、

勉強も想像以上に大変でついていくのに必死だった。

周りの子たちは「なんで?」とキョトンとしている感じだったので、

そういった気持ちを伝えられなかったこと、

 

親もお金を出したのにって責めてきたりすること

全て自分がダメだって。

自分はすごい人だと思っていたけど、

英語のレベルとか学力とか私より条件の悪い人が自分を悠々と追い越しているのをみて

そう思ってた自分がすごい恥ずかしかったし、自分はなにも持ってなかったんだと辛くなりました。

 

正直なんであんなブサイクな人には彼氏ができて、私にはできないんだとか思いました。

 

まあ、そんな感じです。

もうボロボロ。

 

せめて中国語だけでも完璧にしないと、

留学に来た意味がなくなってしまう。

 

だから一人旅行にも興味あったし、

思い切って中国の上海に行きました。

一人です。

言語は通じるけど、でも今まで旅行の案とか人任せだった私が一人で行く。

あ、できないなってどっかで思いながらも、

余裕がなくて行きました。

 

なんか寂しいんですよね。

一人で旅行行くと、

落ち着くけど、もっと警戒しなくてはいけないし、

面白いものをみたときに分かち合う人もいない。

 

なんか道を聞くときに思わずおしゃべりしてしまうような気持ちに。

スーパーで長話をしてしまうおばあちゃん達の気持ちが分かった。

 

それである日、タクシーに乗るの怖いから観光地まで歩いていたときにバス停を通りかかって、

バスならきっと安いし、ハードルは低い。

歩くと20分だしなって思って時刻表を見てました。

 

するとおばちゃんが話しかけてきた。

豹柄の服を着た、大阪のおばちゃんみたいなファッションの人。

どこ行くの?って聞かれた。

 

〇〇寺に行こうと思ってますーと伝える。

中国人フレンドリーだから(中国人だと思われている間は)

そういう日常会話みたいなのかと思った。

 

すると隣にいたカップルも同じこと聞かれて答えない。

まあ怖いよね、急に話しかけられたら。

私も友達と一緒だったら絶対無視だった。

でも寂しくて。

 

「〇〇寺は3時までしかやってないよ。今もうこの時間なら、お茶畑に今日は行って、明日そのお寺に行けばいいよ」

 

そっかあ。地元の人がそういうなら。

 

「そのお茶畑には○番に乗れば着くよ」

 

そっか、とりあえず乗ればいいかな。

で、なぜかおばあさん一緒に乗る。

ん??

 

「私もこのバスのるの」

 

そうなんだー。

にしてもさっきから周りからすごい見られている。

日本人が珍しいのかな。

それともなんの繋がりもない私とおばさんが話しているのが奇妙に思えたのかな。

なんか心配されているような、目をしているような気もしなくはなかった。

どうせ降りるところまでついてこないし、話してればいっか。

 

そう思って、乗っていました。

が、ここだよ、降りるのって言われたら、

なぜか一緒に降りる。

びっくりした。

どこまでついてくるんだろう。

 

「私のお家ここなの」

 

ああ....って思いつつ、

なにかがおかしいと思った。

 

さっきからどこかに導かれようとしているような感じ。

井戸から水を汲むの体験していきなよ、とか

後は自分のお茶畑見せて、

すごいでしょ。これだけの数をやっているの、大変なのって言ってきた。

 

あ、これは、もしや買わされる。

おいでよ、おいでよ、と言われるままについて行った。

いざとなったら買いたくないって言えばいいと思った。

 

でも家に連れて行かれそうになって、

さすがにストップ。

いけない、怖い。

誰がいるのかもわからないし、

なんの家なのかもわからない

 

「おいでよ!おいでよ!」

 

いや、私ちょっと.....

 

「ちょっと見るだけ。気に入ったら買ってくれればいいから!」

 

やっぱり!

 

そしたら もうって感じで、中に入っていく。

 

どうしよう。

ここで逃げることもできる。

でも今自分はどこにいるのかもわからない。

このまま走って逃げたところで、

バスに乗らなければ帰れない。

タクシーも乗ればいいけど、

でもどこにあるのかわからない。

逃げて、結局見つかったら

何をされるかわからない。

とりあえず怖かった。

 

ついていくしかない。

それでいらない、というのはきっぱり断ろう。

結局入ったら、買わされた。

普通の葉っぱといい葉っぱを持ってきて、

どっちがいい?って。

心理戦を巧みに使ってきた。

 

人って、

これどう?っていうよりも

こっちとこっち、どっちがいいって言われる方が、

どっちか買わなければいけないって気持ちになって買いやすい。

しかも値段が普通のは安くて、いいのは若干高い。

 

ご飯一食200円ぐらいたべられるこの国で、

一番小さいのを選んで700円しました。

もうボランティアだと思って出してしまえ!って思ったのです。

嬉しかったんだろうな。

お金を見せた途端今まで見たこともないぐらいの笑顔。

渡すとき、全然私の顔を見ていなかった。

バッて取っていった。

それがすごいショックだった。

 

今まで人はどこかに善心があって、

だからこうやってだまし取っても、

心のどこかでは、

騙してごめんとか、

このお金ありがとうとか、

そういう気持ちが湧くのかと思ってた。

 

でも全然そういうのがこの人から感じない。

私がお金を渡してから、すごい扱いが変わった。

 

すっごいニコニコして、

でも全然私のことどうでもいいっていうのが伝わる。

 

もういい。

これで帰れる。

タクシーはどこなのか聞いた。

 

そしたら

「タクシーは山の上の方にあるけど、うーん、下にバスあるよ!バスで帰りなよ、バスで!」って。

 

なんで。なんで私バスで帰らなければいけないの。

ただ私をタクシースタンドに連れていけばいいだけなのに。

それで私その家を出て、導かれるがままにバス停に行く。

逃げたかった。でもどうなるかわからないから怖くてできなかった。

 

せめてのも度胸でその人とツーショット写真は撮りましたけども...。

 

でも本当に怖いし、私当時22歳とかだったし。

バス停に行ったらガラの悪そうなお兄さんが乗っている車がバス停近くにあって、

おばさんがその人と何か話している。

怖かった。

バス停連れて行ってもらったら、

 

「はい、じゃあね〜」って感じで去って行く。

 

バスの番号は教えてくれたのかな。

でも私の行きたいところがどこなのかわからない。

どこまで乗るのかもわからない。

びっくりした。

あんなに親切に行くときは教えてくれたのに。

 

後から思ったのですが、山の麓に近いところにその人の家はあったんです。

で、実際にそこはお茶畑が有名らしくて、観光地としてウェブでも乗っていました。

だから、山の上の方ではもっと安くお茶が売られていたのかもしれない。

ボッタクリだってバレたらややこしくなるから、とか

そういうのかな。

 

でも、私本当に自分がどこにいるかわからなくて、

タクシーに乗れば住所伝えて一発なのに、

それを知っているのに、このおばさんは私にバスを進めた。

私が日本人であることを知っているのに、

もうどうでもいいって感じで、

本当に私を置いて行った。

怖かった、本当に怖かった。

どうすればいいのかわからないし、

携帯も電池無くなってきてるし。

 

ホテルもチェックイン済ませてない。場所ももちろん行ったことない。

その上もう5時ぐらいだった。

 

とりあえずバスを逃さないようにと、

きたバスに乗った。

どこで降りるのかわからない。

 

 

ここから先はもううろ覚え。

 

適当に降りて、道で聞いて、言われたバスに乗るっていうのを何度か繰り返した。

 

コインがなくて、側にいる中国人の大学生二人に変えてくれるよう頼んだ。

すごい優しそうな、高学歴そうな人たちでニコニコして「どこからきたの?」「日本!私たち日本好きだよ!」って感じで、話してきて。

でもさっき起きたことが処理しきれていない。

なんかすごい怖く見えた。

うまく話せない。

 

とりあえずバスに乗る。

やっと市内中心に行った。

助けを求めたくて、住所見せてここにはどうやって行くの?

って観光デスクみたいなところで聞こうと思ったらやっていない。

 

反対側のに行ったら人がいる。

聞いたら、「ここの反対側にあるバス停に行けばいい」

 

と言われても、バス停がなかった。

反対側にバス停がなかったんです。

パニックになった。

行ったり来たりしていても見当たらない。

 

だからタクシーを呼ぼうとする。

呼ぼうとしているのに止まってくれない。

空いているのになぜ、止まってくれないの。

携帯の電池も切れて、あたりも暗くなっていく。

 

遠くからバイクに乗った警官たちがニマニマしながら見ている。

助けてあげよう、というよりも好奇の目に見えた。

もうなんか悪い人にしか映らなかった。

歩いてたらバイクで近づいてくる。

 

初めて私は誰にも守ってもらえない感覚を持った。

 

誰も私が一人だからと親切に道を教えてくれない。

誰も私が外国人だからと友好的に話してくれない。

困っている私を見て、こいつはいいカモだと思われているのか。

 

もうなんか辛くて悔しくて憎くて涙を出しながら、

タクシーを呼び続ける。

 

結局タクシーは止まらず、

また誰かに聞いて、バス停を見つけ出す。

反対側なんてものでなくて、

徒歩で5分ぐらいかかるところに「反対側のバス停」があった。

不親切すぎる。

 

その後も何度か降りて乗ってを繰り返す。

 

一回だけ心が緩んだのは、バスから出れなかった時。

日本人だとバレたらって怖かったけど、

でもいうしかないから、

「出たいです!」って叫ぶ。

でも運転手さん気づかない。

もう辛くて、もう日本に帰りたいって思った。

でも周りの人が気づいて、

「この子降りるよ!」「運転手さん待って!」って大勢で助けてくれて、

暖かくなった。

 

悪い人ばかりではない。助け合う心がこの国にはあるって思えました。

 

でも本当にそんな感じで、乗り換えたくさんして、

バスでは降りるところ間違えたら怖いって思って、

途中で何十分もかけて言われたところを歩いたり。

 

やっと着いたら、デスクの人に

「あなた宛に何度か電話が来ていて、今も電話していたとこなの」って

出たらお母さんだった。

「大丈夫?!どうしたの?!」って。

すごいホッとした。やっと着いた。

さすがに来てすぐのデスクでは泣けない。

すごい堪えて、チェックインを済ませて

ホテルに入る。

 

時間はもう8時ぐらいだった。

体が本当に重くて、

ショックが大きくて何も考えられない。

 

母から電話がかかってくる。

電話で騙されたことを伝えて、

辛かったって伝えようと思った。

ちょっとびっくりしてから、そうかそうかって辛かったねって言って欲しかったのに

なのに母は私をなだめようとしているというよりも、

話に興味を持っているように見えた。

私そんなこんな面白い話があったのって話したいのではない。

本当に怖かったんだ。なのに間髪入れずに、

「だから言ったでしょう、中国には行くなって言ったのに、あんたが聞かずに行ったからこうなったのよ」

「自分の責任でしょう。自分で招いた結果よ。私に何か言ってもらおうと思わないで」

「というかあなた家について行ったの?普通におかしいでしょ?おかしいってわからないの?」

って私を責め始める。

 

なんで、

この人は私を守ってくれないの。

なんで辛いっていう私に優しくしてくれないの。

母なのになんで。

私人を信じられなくなるぐらい辛い思いをしたの。

本当に騙す人なんているんだって

自分で初めて体験したの。

唯一今信じられる、安心できる母親から、

そんなこと言われてひどく心が冷たくなった。

 

本当に冷たくなるのってわかるんだなって思うぐらい

ひんやりして。

何も信じられなかったし、何も感じなかった。

 

その後も父から電話がかかって来て「お母さんから聞いたよ」って、

でも優しい言葉をかけてくれるわけでもない。

「何してるんだ」と母に似た言葉を言って来た。

 

この世界には自分のことを大事に思ってくれる人、

私を肯定して、好きになってくれる人、

とかいないんだと。

強く感じた。

自分がバカなことをしてしまったというのはわかっていた。

でもそれぐらい私は自分の中国語をどうにかしたかった。

勉強に追いつけなくて辛かった。

友達もうまくできなくて留学生活を楽しめていなかった。

寂しかった。

そういう私に気づいて欲しかった。

こんな風に一人で上海に1週間も飛びだそうって急に言って、

無理矢理にでも行こうとする私を見て、

何かおかしいって感じて欲しかった。

誰でもいいから、何かおかしいって気づいて欲しかった。

バカなことをしでかしてしまうぐらい、今私は危ないんだと気づいてよ。

 

実の親でもそういう話し方をするのだ。

きっと私のことを大事にしたいって思う人なんていない。

いたらきっと私は今頃友達がいるはずなんだから。

こんな風に悩むことはないんだから。

本当に私のことを思う友達がいるなら、ラインとかスカイプとかしてくるはずだ。

でも結局して来たのって2人だけ。

あんなに大学では仲良くしていたのに。

私にいてほしいって思う人なんていないんだなって

すごく強く思った。

 

日本に帰って来ても、

母と父が信じられない。

どうせ私のことなんて大事に思っていない。

ポイ捨てできる存在なのだろうって。

 

なぜかそういう諦めが入っていた。

話すのも怖かった。

妹も全然妹に見えないし、

幼馴染も幼馴染に見えなかった。

 

あんなに近い存在だったのに、

一気に遠くに感じた。

でもどうすればいいのかわからない。

本当にどうすればいいのか、

怖いっていう気持ちが強くて、

近づきたいのに近づけない。

冷や汗かくし、電車は乗れないし。

 

今でも視線が怖くて、

電車に乗るときは目を瞑ることが増えている。

 

私怖いんです。

他の人の気持ちなんかこれっぽっちも考えずに

行動できる人もいるんだ。

発言できる人もいるんだ。

 

全てあなたのためって言葉で縛り付けているんだ。

私も自分は優しいって思っていたけど、

結局私は自分のエゴを押し付けているだけだったんだ。

 

「〜してあげたのに」って結局私は何か見返りを求めている。

人のこと散々汚らわしいって思っていたのに、

結局私も同じことをしていたのだ。

 

 

なんか全てがショック。

 

そんな感じで人を信じられなくなりました。

誰もひどい!!って言ってくれたわけではなく、

むしろそういう人もいるのだと皆いう。

だからそうなのかって自分の辛い気持ちに蓋をしていた。

 

それを漫画で、大人を信じられなくなった子供たちに向かって、

先生が「信じるのも信じないのもあなたの自由よ。でもね、それなら信じた方が人生いいでしょ?」みたいなことを言っているのを読んで、

涙が一気に出ました。

私は思っている以上に辛かったんだなってその時に気づきました。

 

いつまでこうやって人を避け続けてしまうのかわからないけど、

早く普通に話せるようになりたいな。