「迷い」と「決断」について書く

私は小、中、高、大学といい学校に行った。

裕福で英才教育で、自由のある、名の知れた学校。

 

習い事もいくつもしたし、

母は専業主婦で家にいつもいる。

 

私も親の努力のおかげで、

人生で一度も受験をせずにここまできた。

このまま進めば有名企業への就職が約束されているようなものだ。

 

ここまで聞くと、

「なにに悩んでいるの」

「私なんて選ぶこともできなかったよ」

って言われるかもしれません。

 

ただ私はそれと引き換えにつまらない生活をしました。

母の言う通り、勉強して、

母の言う通り、行動する。

 

私は大学へ通うまで、

自分の意思でなにかをしたいと言うことがなかったのです。

 

教養も充分身につけた。

このまま仕事を続ければ、安泰するのはわかっていた。

でもこのまま先も生きているのか死んでいるのか、

なんのために働いているのか分からず人生を終えるのはどうなんだろう。

 

そんな迷いと焦りを感じながら、

私は新卒として旅行代理店で働き始めました。

他の子よりもいい条件で入れた。

そして9ヶ月で辞めることになったのです。

 

1年以内に辞めることを決断できた理由は二つ。

一つ目はやりたいことがたくさんあったから。

皆が小学生や中学生の時にやらせてもらっていたことや

経験したスリルや刺激を受けることを、

私はこの歳になっても諦めることができなかった。

 

皆がアート教室に行って、興味を持って

美大に行って、クリエイティブ職につくように、

 

私もこの歳から好きなことを始めたら、

結果それが仕事と結びつくのではないか。

 

「趣味を仕事にするには難しい」って言うけど、

それは趣味を仕事にすることを諦めた人たちが言っている言葉ではないだろうか。

 

そんな「もしかしたら」という気持ちが抑えられなかった。

 

二つ目は、仕事ができなかったから。

どれだけアドバイスをもらっても、

どれだけ頑張ろうと思っても

スピードは遅いまま。

意欲も全く湧かなかった。

 

頑張ろうと思っても

家に帰る頃には「(精神的に)私は死ぬのではないだろうか」と日々思っていた。

これ以上壊れてしまう前に、辞めざるを得ない状況だった。

 

もしある程度仕事ができていたら、悩みながらも続けていたかもしれない。

 

幸か不幸か、

 

私はすんなりと決断できた。

 

次のステージは、無職からスタートした。

精神的に働けないと判断したから。

もしもう働けなかったら....

 

そんな不安を常に抱えていながらも、

世界が徐々に色づいていくのを感じた。

仕事場だけが私の世界だったのに、

一気に空気や人が澄んでみえるようになった。

 

食が好きだとわかっていたので、

まずは人材派遣を通して、食関連のお仕事を探した。

 

そこから様々なことが起こり、

その流れで今は調理の専門学校へ行きながら、

キッチンでアルバイトをしている。

 

社会的地位もないし、

収入も少ない。

24歳という働き盛りの年齢からしたら、

怠けているように見えると思う。

 

焦りが全くないわけではない。

でも不思議と毎日が楽で、楽しい。

 

人生で初めてなにかに打ち込めた。

それが自信となったのか、

自分にもっと意識を向けることができた。

 

人として堂々とできるようになった。

自分でもっと考えるようになった。

そんな私を見て、周りの人も優しく温かく迎えてくれるようになった。

そしてモテ期もきた。笑

 少しずつなにかをつかみ始めています。

 

失ったものはたくさんある。

不安定であるのもたしか。

 

でも私は決断してよかった。

仮面をずっとかぶって生活するよりも、

等身大の子供っぽい自分と向き合える今の方が

生きていてよかったって思える。

 

生きがいなんて見つけなくたって生きていけるし、

「一生に一度の人生だから後悔しないで」

というフレーズを言いたいわけでもない。

 

でも、もし働いていてなにか変えたい、やりたいっていう思いが強いなら

した方がいい。

その「なにか」が今わからなくても、

やめた後に徐々にわかってくるものだと思います。

 

だから悩んでいる方がいるなら、

自分に素直になってみてください。

 

このまま仕事を続けようと、

転職をしようと、

きっと私のように、

あなたの人生をよりよいものにしてくれると信じています。