これに追加で話したい

これはちょっとアハ体験が起きる、

考え方が少し変わった話です。

 

大学の必須授業で「Thinking Process」というのがあって、

視野を広く持てるようトレーニングする授業だったのだと今では思います。

 

教授は日本人の奥さんを持つアメリカ人。

 

そんな教授が私たちにまず問いかけたのは、

「自分が何人だっていうのはどうやってわかる?」

でした。

*授業は全て英語です。

 

え、そんなの当たり前じゃん、って私は手を挙げて

「パスポートを見ればわかります」って言ったのです。

 

教:「どうして?」

私:「え、それは....パスポートに書かれているから....」

 

というのも私自身多国籍だったけど、

自分のメインとなる国籍はパスポートに載っているものだと思っていたのです。

 

それに対して別の生徒が手を挙げて答える。

「僕は日本のパスポートを持っているけど、日本語はうまく話せないし書けない。更に生まれも育ちも海外だし、父の仕事の関係上色んな国を転々としていた。だからパスポートだけで、自分は日本人だって思うことはできない」

と言ったのです。

 

そんな人もいるんだって初めてその時に知りましたね。

じゃあ彼は何人なんだろう。

 

その後も討論は続いたのですが、

その最初か最後に教授が言っていました。

 

「じゃあ例えば僕がアメリカ人だって人は言うけど、もし僕は自分のことを日本人だと思っていたら?」

「そして、僕がもし日本語を流暢に話していて、日本にもう長いこと住んでいて、日本人の奥さんがいて、日本の文化を知っていたらどう思う?」

 

当時は何言ってんだって、

そんなん元々生まれ育った国がアメリカなんだし、

日本語が流暢と言っても日本人ほどは話せないのだから、

アメリカ人でしょって思っていたけど、

 

この歳になってわかりました。

 

私だってシンガポールでだけど、ずっと日本社会で生まれ育って、日本語話して、日本人の父を持って、日本人の友達だけがいたけど、

でもシンガポールが私の国だって思っていたんです。

 

それは言うなら、アメリカ人の教授と同じ立場で、

シンガポール人から見たら

「それでもあなたはまだ外国人」なのです。

 

逆に日本国籍を持っているその人は、自分が日本人だと思っていなくても、

日本語の名前を見て、日本語で親しげに話してくるかもしれない。

 

この討論に結論はなかったと思うんだけど、

言いたかったことは、

人それぞれその人が何人かって判断する材料は違くて、

自分にとっては日本人でも、相手にとったら韓国人かもしれないって言うことが

これから起こることを意識して欲しかったのだと思っています。

 

日本人もDNA鑑定やると100%日本人でない人の方が多いみたいだしね。

在日韓国人とかもいるし。

 

だからパスポートがこうだから、文化がこうだからってよりは、

その人のことをその人として見れる目を養いましょうって

ことかしらね?