何も考えてない

香港に留学に行ったばかりの時、

私は人よりも意見を言う方だし、

勉強熱心だし、

考え事もたくさんするし、

だから授業で当てられて困るなんてこともそうないだろうって思っていました。

 

でも実際に授業に出たら、

アジア人らしくないぐらい皆発言していて、

黙っている人も、当てられたくなさそうな人も、

当てられたらしっかりと自分の思うことを言えている。

 

私の学部では、知ったかぶりというか、

課題やってきていなくて、

それを隠すために考え込んだり、

わからないって言ったりするのに...

 

しかも質問がすごい難易度高いというか、

例えばある島では物々交換がすごく神聖なもので、

絆を強めるものらしい。

そういった読み物読んだり、講義を受けた後に、

あなたは聞いてどう思った?

って聞かれるんです。

 

どう思ったって....ああ、そんな島があるんだとしか思わないじゃない!

でもしっかりと香港の学生は答えるんですよ。

「そんな文化があるなんて知らなかった」とか

「日本の〇〇と似ていると感じました」とか

そういう意見じゃなくて、

しっかりと

「もし〇〇を渡すことが文化であるなら、なぜこれはこうなのか」

「これを他者に渡すというのは、私たちでいうお金を渡すような意味合いが一番近いですね。でもこれって賄賂とはまた違うのかしら?」

とか

今適当に作りましたが、そういう視点で話が進むんですよ。

すっごい踏み込むんですよ。

さすが頭がいいとしか言えませんが、

とりあえずきたばかりの頃は本当に驚いた....。

 

そこまで、質問に対して考えたことなかったし、

 

すごいショックだったのは、

読み物の意味がわかって、講義も何言っているのかわかっているのに、

自分の意見が出てこなかったこと。

今まですごいいい加減に生きてきたんだなっていうことが

すごい心にしみました。

 

自分はすごい頑張っているつもりだったんですよ。

出された課題は何度も読んで理解しようとしたし、

人よりも理解するのが遅いからって、

色んな記事を引っ張って書いてきたり、

それなりについていけているのかと思ってた。

 

でも今思うと、

表面を取り繕ってばかりで、

挙げ句の果てには

「頭のいい人や、色んな知識を持っている人に好かれるようになれば、自分は使えなくても皆のノウハウを使って暮らしていける」

とか思っていたし。

決して悪くないし、発送は賢いと客観的に見ても思えるけど、

とてもずるい、というか人をなんだと思っているのかというか。

 

結局それって強いものを集めて、

自分も強くなった気でいるようなものじゃないですか。

 

後はそうね、

人生というか人をなめていたなって思ったし、

こんなにも自分の意見をしっかり言える人がいて、

逆に私はこんなにも自分の意見を言えなかった....

というよりも意見がなかったんだな、と

留学に行って気づきました。